〜コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集,第14巻,pp235-242,2014.10〜

西日本高速道路(株)本荘 清司

(株)国際建設技術研究所藤原 規雄

(株)国際建設技術研究所葛目 和宏

西日本高速道路エンジニアリング中国(株)牧 博則

要旨:

筆者らは,過去数年間にわたって中国地方の凍結防止剤で塩害劣化した鋼橋RC床版を詳細に調査し,劣化状況や劣化のメカニズム,劣化進行に影響を及ぼす要因などについて検討を続けてきた.その結果,交通量が少ない環境で塩害劣化が顕在化した鋼橋RC床版については,耐荷性能よりも使用性能や耐久性の低下によって使用寿命が決まることがわかっている. 一方,床版上面や断面内部の劣化状況については既往の調査技術では十分に状況を把握できない場合もあることを示してきたが,今回,追加確認した事例を紹介する.また,今後の鋼橋RC床版の補修計画の一試案について報告する.