“PC梁部材におけるひび割れ性状に及ぼす繰返し載荷の影響に関する研究”

〜(社)日本材料学会,コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集,第9巻,pp.417-424,2009年10月〜

(社)日本材料学会

(株)国際建設技術研究所真鍋 英規

(株)国際建設技術研究所川谷 泰山

国土交通省 国土技術政策総合研究所玉越 隆史

国土交通省 関東地方整備局石尾 真理

(社)プレストレスト・コンクリート建設業協会春田 健作

要旨:

繰返し荷重を受けるPC梁の載荷実験において、曲げひび割れが生じた後、載荷回数の増加と共にひび割れが中立軸付近まで鉛直に進展する性状が見られた。また、実橋でも長年にわたり過大な繰返し荷重を受けた道路橋PC桁において鉛直に進展したひび割れが確認された。いずれも繰返し載荷しない場合と比較して、ひび割れ発生本数は少なく分散しない。これらのひび割れは単独の荷重では発生せず、繰返し載荷の影響によるものであるが、その原因の一つを主鉄筋とコンクリートの付着が劣化することにあると考えた。 本研究では、PC梁部材の疲労載荷実験、付着性状に着目した非線形FEM解析および実橋のPC橋の詳細調査を通してひび割れ性状に及ぼす繰返し載荷の影響に関する考察を行った。