“ASRによる劣化を受けたPCはり部材の力学的挙動に関する解析的検討”

〜(社)日本材料学会,コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集,第9巻,pp.397-404,2009年10月〜

(社)日本材料学会

阪神高速道路(株)新名 勉

(財)阪神高速道路管理技術センター松本 茂

阪神高速道路(株)佐藤 彰紀

(財)阪神高速道路管理技術センター久利 良夫

(株)国際建設技術研究所真鍋 英規

要旨:

ASRによる劣化がPC部材の耐荷性能に与える影響を検討することを目的とし、ASR劣化したPCはりの載荷試験結果に対して、FEM解析による検証を行った。着目した項目は、コンクリート物性値、ASR膨張によるひずみおよびひび割れの影響、せん断補強筋の付着特性などであり、3次元非線形FEMにより解析を行った。検討の結果、着目した項目を適切に考慮することにより、ASRにより劣化したPCはり部材の力学的挙動をある程度の精度をもって再現することが可能となった。なかでも、ASRに伴う膨張をスターラップ内部の初期ひずみとして適切に評価することが重要であることが解った。